掲載誌 | 有料メールマガジン「Scan Security Management(2006年度)」 |
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掲載年月 | 2006年07月18日 Vol.160 |
執筆者 | 株式会社アイドゥ 柳生謙・井上きよみ |
公認情報セキュリティマネージャー(Certified Information Security Manager;以下CISM)は、米国を本部とする世界的な民間団体「情報システムコントロール協会」(以下ISACA)が認定する、情報セキュリティマネージャーに特化した資格である。時代の要請に応え、2002年に創設され、2003年度より試験が開始された。ISACA本部による世界統一基準で認定されるという特徴を持つ。
ISACAは、以前から情報システムの監査、セキュリティ、コントロールに関する高度な知識・技能と経験を有する者に対し、「公認情報システム監査人」(Certified Information Systems Auditor;以下CISA)を認定している。よって、CISA保有者がCISMをも取得するケースが多いようだ。
CISMは、セキュリティマネージャの実務を分析し、以下の5ドメイン
に分類して、必要なタスクを整理し、その知識と経験を認定する資格制度で、実務に焦点を当てているところが、他の資格と大きく異なる。
最近SOX法がにわかに注目を集めているが、同法は、内部統制の確立を要請している。内部統制の評価を行うのが監査で、IT内部統制の評価を行うのがシステム監査である。したがってCISMは他の同等資格より、SOX法に近いといえる。
日本では、2005年12月2日時点で87名の情報セキュリティプロフェッショナルがCISMとして認定を受け、既に活躍している。世界全体では、5,231名のCISM認定者がいる。
>>CISM資格制度
>>ISACA東京支部の活動 ~CISA~ 情報システム監査の国際的資格
CISM認定を受けるには、次の「一般認定基準」をすべてクリアすることが必要である。
スケールドスコアーと呼ばれる採点方式により75点以上で合格。
問題数は200問(選択式)で、試験時間は4時間。
言語は、英語と日本語のいずれかの選択が可能(2006年6月試験)。
試験領域は上記の6ドメイン。
試験は6月・12月の年2回実施。
CISA(公認情報システム監査人)と同じ試験実施スキームで実施。
2005年6月の試験において、日本語の全受験者は94名、東京支部の会員からは46名が合格している。
その内3年以上は、上記の試験領域中の3分野で、情報セキュリティ管理の職務経験を有すること。
また、情報セキュリティの一般的業務経験(最大2年)については、以下の代替も可能。
なお、CISM合格後5年以内に申請をしないと合格は失効する。
本規定は受験登録者に配布されるCISM試験受験者ガイドに記載。
1CPE時間は50分で、年間20CPE時間、かつ、3年間で120時間以上。
(具体的な計算方式は、合格者宛に送付される継続教育方針書を参照)
>現在の仕事と資格取得のきっかけは?
>取得までの学習方法や期間は?
これらのマニュアルだけの勉強であれば、2~3ヶ月で十分に覚えることが可能だが、私の場合、資格取得だけではなく、適切なコメントをクライアントに出せることが目的のため、体に染み付け、即座に反応できるようになるよう反復復習が必要だった。
そうしているうちに、いつの間にかどのような課題(またはクライアントからの質問)があっても、即座に対応できる体になっていた。
また、ISACAの東京支部では「公認情報セキュリティマネージャー(CISM)レビューコース」として、CISM日本語受験予定者向けに、国際本部制定の英語のレビューコース内容を日本語化し、試験領域ごとに解説している。
>>公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
私自身は、このレビューコースへ参加したことはないが、独学で勉強するだけでなく、専門家から説明を受け習得するのも一つの方法と思われる。
>資格取得後の活躍の舞台と今後の展望は?
>資格取得を目指している人へのメッセージを
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 情報セキュリティ監査・審査系資格の取得と効用■第5回■ 情報セキュリティ管理者・責任者の国際的資格「公認情報セキュリティマネージャー」(CISM)
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