掲載誌 | 有料メールマガジン「Scan Security Management(2005年度)」 |
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掲載年月 | 2005年10月25日 Vol.128 |
執筆者 | 原田智子・井上きよみ(アイドゥ) |
高まる情報セキュリティへの不安。しかし、その人材不足は深刻である。それもただ技術面に詳しいだけでなく、組織のセキュリティという管理面にも通じたバランスが求められる。
そのような中、情報セキュリティの資格に期待が高まっている。今回から連載で、注目の資格を取り上げていく。第1回は、マイクロソフトの「MCAセキュリティ」だ。
MCAセキュリティ 試験概要 | |
出題形式など | 多岐選択式で、問題数は50問程度 |
試験所要時間 | 65分 |
受験料 | 9,450円 (アカデミック価格:5,250円) |
試験会場 | アール・プロメトリック社、ピアソンVUE社、JJS社の主催する全国の試験会場、もしくは教育測定研究所(出張試験も可能) |
試験日程 | いつでも可能(上記試験会場での可能日時) |
申し込み | 上記、試験会場 |
2002年1月より実施されているマイクロソフト(以下「MS」と略)「MCA(Microsoft Certified Associate Program:MS認定アソシエイト)プログラム」は、コンピュータサイエンス、情報処理絵論、標準テクノロジーといったIT理論に加え、MSのサーバー製品に関する技術習得を証明できる資格だ。MSの認定制度の中では日本独自のものである。
当初MCAは「MCAデータベース」「MCAプラットフォーム」「MCAアプリケーション」の3科目だった。しかし、個人情報保護法の成立をはじめとする情報セキュリティの重大性が叫ばれる時代要請を背景に、2004年4月「MCAセキュリティ」が新設された。
MSはMCAセキュリティを「ITに携わる人がより安全にITを利用するために不可欠とされる『セキュリティの知識』を証明するための資格である」とし、下図のように、他の3科目すべてに関わる形で位置づけている。
Mca Database | Mca Platform | Mca Apprication |
Mca Ssecurity |
MSのサーバープラットフォームビジネス本部マイクロソフトラーニンググループシニアマーケティングスペシャリスト松原亮太郎氏は、「MCAはITの基礎を網羅すると共に、利用者の立場・視点で出題されているのが特長。Windowsを使用しているすべてのユーザーが取得してもよい資格である」と言う。
確かに、広い視野に立った確かな知識と技術は、ソリューションビジネスを展開する上での必須ノウハウであり、それはMCAのコンセプトにも通じる。
つまり、様々なビジネスニーズに合わせた、最適なソリューションを提案できる人材を育成するプログラムである。市場シェアの高いMS製品を用いてそれができることは、企業にとって即戦力を獲得することになる。
その証拠に、日本ユニシス、ダイワボウ情報システム、日立システムアンドサービス、日立製作所、キヤノン販売、日本ヒューレット・パッカード、CSKグループ等、名だたるITソリューション提供企業が、MCAを社員研修に導入している。
また、早稲田大学理工学部や北海道立札幌高等技術専門学院などの学校でも教育の一環として取り入れられている。早稲田大学では、企業との連携による体系的なセキュリティ技術カリキュラムを策定し、人材育成を推進している。
さらにMCAセキュリティにおいては、企業や組織において急務とされるセキュリティに長けた人材育成の役割も果たす。実際、日本政府が先導するe-Japan戦略では、先進的な国家的IT戦略の推進が掲げられているが、それにはセキュリティ技術者養成が必須となる。
MCAセキュリティの試験類似問題として、MSのWebサイト「MCAホーム」には、「MCA Security ちょこっとチェック」という掲載がある。
ここから、実際に2つの例題を確認してみよう。
[Check1]
あなたは組織のセキュリティ管理者です。現在、体系的なセキュリティホールとその対策の洗い出しをしています。人的なセキュリティホールの対策として適切なものは次のどれですか。
A.セキュリティ修正プログラムを適用する。
B.パソコンに鍵をかけて固定する。
C.ファイルを暗号化する。
D.パスワードを厳重に管理する。
[Check2]
あなたは、Microsoft Windows XP Professionalがインストールされたコンピュータを使用しています。管理者は、あなたにパスワードを忘れてしまった場合に備えて、パスワードリセットディスクを作成しておくように命令しました。パスワードリセットディスクを作成する手順として適切なものは次のどれですか。
A.MMCの[ローカルユーザーとグループ]スナップインから1回だけ作成する。
B.MMCの[ローカルユーザーとグループ]スナップインからパスワードを変更するごとに作成する。
C.コントロールパネルの[ユーザーアカウント]から1回だけ作成する。
D.コントロールパネルの[ユーザーアカウント]からパスワードを変更するごとに作成する。
[Check1]の正解は「D」。セキュリティの基礎知識として人的なセキュリティホールの対策に関する認識を問われる出題である。
[Check2]の正解は「C」。Windows XPのパスワードリセットディスクの作成方法を習得していなければ、解答できない問題だ。
また、MCAセキュリティの出題範囲は、以下の通りである。
MSのサーバープラットフォームビジネス本部マイクロソフトラーニンググループシニアマーケティングスペシャリスト山口真喜子氏によれば「現在、MCAは4科目合計で18,000人ほどが取得している。中でもMCAセキュリティの資格保持者は、着実に伸びている」とのことだ。
そして、MCAセキュリティ受験者のプロフィールは、多い順に
となっている。
山口氏から、MCA取得のための勉強方法として、次の3つが提示された。
[1]2日間のオフィシャルトレーニングを受講
ここで使用するテキストはMSが作成したもので、合格への最も有力な知識を得られる。全国のMCAトレーニングセンターで実施中の他、企業等の団体向けも可能。
[2]e-Learningによる自己学習
MSが提供するセルフラーニングサービス。学習上の疑問点には、MCAトレーニングセンターのマイクロソフト認定トレーナーがメールでサポートに応じる。
>>MCA のセルフラーニング(e-Learning)サービス
[3]市販教材で独学
>>MCA に関連した市販の書籍、システム
MCAセキュリティの試験は、アール・プロメトリック社またはピアソンVUE社の主催する試験会場で、希望の日時に受験できる。試験は、パソコンを使用して画面上で解答する方式のCBT(Computer Based Testing)で、その合否も試験終了直後に、画面で確認できる。
その他、マークシート方式のPPT(Paper Pencil Test)が、教育測定研究所で実施されている。この場合、試験所要時間は75分で、試験日から10営業日ほどで試験結果が発送される。
>>試験形式について
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 注目の情報セキュリティ資格、その取得と効用 第1回 "理論+製品技術"が人気!受験者急増中の「MCAセキュリティ」
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