掲載誌 | 雑誌「アクセス埼玉」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) | |
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掲載年月 | 2009年1月(第10回) | |
執筆者 | (株)アイドゥ代表取締役井上きよみ |
提出した文書の誤字・脱字、「てにをは」のおかしい部分などを、上司や取引先から注意された経験はありまませんか?
人間誰しもミスはします。しかし、ミスが多いのは、仕事をやりっ放しにしているからです。
反対に「見直し」をしっかりすれば、かなりのケアレスミスを防げます。
しかし、自己チェックではミスに気づきにくく、結果としてミスを見逃すことがあります。
そこで、Wordの文章校正機能を利用して、効率的にミスを減らしましょう。
Microsoft Word2007(以下Word)には、以前のバージョンも含め、ミスを指摘してくれる機能があります。それが赤や緑の波線です。波線部分を右クリックすると、メニューが開きます。理由や修正候補が示されるので、それを選択すれば修正できます(図表1)。
これはWordの「自動文章校正機能」ですが、この機能を知らずに、波線をうっとうしく思い、無視している方が多いのです。これからはぜひ有効活用して、ミスを減らしてください。
赤の波線はスペルミスや入力ミスの可能性を、緑の波線は「表記のゆれ」や文法的におかしい部分を、それぞれ指摘しています。
「表記のゆれ」とは、同じ言葉なのに、書き方がバラバラな場合をいいます。例えば図表1では「バーコードリーダ」「バーコードリーダー」が該当します。最後に音引き「ー」があるかどうかという違いです。
Wordでは、どのような項目をチェック対象にするかを設定できます。
左上の「Office」ボタンから、「Wordのオプション」ボタンをクリックします。表示されたダイアログボックスで、左側の「文章校正」を選択します。
具体的なチェック項目は「文書のスタイル」で設定します(図表2)。「通常の文」から「ユーザー設定1」を選びます。例えば「ユーザー設定1」は社内報告書向けに、「〃2」は客先への提案書向けに、という具合で設定しておけば良いでしょう。v 次に「設定」ボタンをクリックし、表示されたダイアログボックスで、チェック項目を設定します(図表3)。お勧めは「厳しめ」のチェックです。つまり、チェックできるものはすべてチェックするようにします(図表4)。
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大項目 | 個別項目 | 設定 |
誤りのチェック | 入力ミス | 多め |
同音語誤り | 多め | |
「誤り語・誤り表現」など | すべてチェック | |
表現の推敲 | 「くだけた表現」など | すべてチェック |
表記の揺れ | 「揺らぎ(カタカナ)」など | すべてチェック |
表記の基準 | 漢字レベル | 常用漢字 |
「情報漢字外の読み」など | すべてチェック | |
送り仮名の基準 | 本則 | |
仮名書き推奨 | 一般 | |
文体 | 『「だ・である」体に統一』もしくは『「です・ます」体に統一』 | |
カタカナ設定 | 全角に統一 | |
英文字設定 | 半角に統一 | |
句点 | 「。」に統一 | |
読点 | 「、」に統一 | |
商標・商品名 | チェック |
文書作成中に波線が出たら、片っ端から修正していくのも手ですが、文書ができあがった所で、まとめて校正をするのも効率面でお勧めです。
後者の場合、最初に表記の揺れをチェックします(図表5)。ダイアログボックスの一覧から修正したい表記を選択し、修正候補で選びます。同一用語の場合「すべて修正」ボタンをクリックすれば、一気に変更され、表記を統一できます。
次にカーソルを文頭に置いてから、リボン内の「スペルチェックと文章校正」をクリックします。すると、校正対象の文章が自動的に選択され、「文書校正」ダイアログボックス内に理由や修正候補が表示されます(図表6)。
あくまで機械的にピックアップされたものですから、実際に修正するかどうかは人間が判断し、指示します。修正の必要がない場合は「無視」ボタンをクリックします。修正候補の欄に理由しか書かれていない場合は、文章が入っている上側のボックス内で、直接、文字を修正後、「修正」ボタンをクリックします。
こうして文書の最後まで校正が進むと、「読みやすさの評価」ダイアログボックスが表示されます(図表7)。
こうすれば、他人の手を煩わせることなく、かつ、自分一人でチェックするよりも確実な校正ができます。これでもう「ミスの多い文書」から卒業できますね。
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このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第10回「誤字・脱字が多い」と注意される人、必読! ~Wordの文章校正機能でケアレスミスを撃退~
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