掲載誌 | 雑誌「アクセス埼玉」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) | |
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掲載年月 | 2008年2月(第11回) | |
執筆者 | (株)アイドゥ 代表取締役 井上きよみ |
昨年末、IPA(情報処理推進機構)が発表したインターネット利用者を対象にしたセキュリティ意識調査結果を見ました。ウイルスやフィッシング詐欺の認知度はさすがに高いのですが、最近被害が急増している「セキュリティ対策ソフトの押し売り行為」や「ボット」への認識は低いのです。
また「パスワードの定期的な変更」をしている人は約4分の1と、その重要性はわかっていても、行動に移す人はまだまだ少数派です。
それはなぜでしょうか?危険性を身近に感じられないからだと思います。でも、垣間見ることができれば、もっとセキュリティ意識は高まるでしょう。
図表1は、パスワードやメールなどに潜む危険性をチェックするため、今回利用する無料のツールやWebサイトの一覧です。
機能・目的 | ツールやサイトの名称 | 提供元 | 備考 |
パスワードの 強度チェック | パスワード チェッカー | マイクロソフト | |
URLや メール送信経路情報の調査 | aguse | アイスクエア | |
ボットの 感染チェックと駆除 | Cyber Clean Center | サイバークリーンセンター 運営委員会 | 駆除ツール「CCCクリーナー」はダウンロードして使用 |
Webサイトの 安全性評価 | McAfee SiteAdvisor | マカフィー | ブラウザのプラグインで利用するにはダウンロードして使用 |
騙され度診断 | WEB110 | WEB110 |
メールのヘッダ情報やURLから関連する情報を集めて表示してくれるサイトが「aguse」です。
メールヘッダを調査するには、ページ内の「メール」リンクをクリックしてから、ヘッダ情報をコピー&ペーストします。メールソフト「Outlook Express」の場合、表示したい受信メールを選択後、「ファイル」メニューから「プロパティ」を選び、開いたボックスで「詳細」タブをクリックすればメールヘッダが表示されます(図表3)。
図表4、図表5はいずれも私が受け取った日本語の迷惑メールを調査した結果ですが、送信元偽装の可能性や迷惑メールブラックリストに登録されていることがわかりました。
Webサイトも調査できます。ドメイン情報が表示されるので、自社Webサイトを入力して、どのように登録されているかを調べる場合も使えます。
「ボット」とはネット上からコンピュータを操る悪意のプログラムです。ロボットのように操作されることから名付けられました。ボットに感染したマシンは「ゾンビ」と呼ばれ、別のコンピュータへの攻撃、フィッシング目的などの迷惑メール大量配信、個人情報の不正取得、ボット感染活動などを行い、知らぬ間に加害者となってしまいます。
ボットはウイルス対策ソフトでは見つけづらいと言われていますが、このボットを駆除するツール「CCCクリーナー」(図表6)が、総務省・経済産業省 連携プロジェクトである「Cyber Clean Center」のサイト(図表7)でダウンロードできます。
ただし、このツールは感染チェックに相当な時間がかかるため、PCを長時間使わない休日や夜間に実施するのをお勧めします。
今回紹介したツールやサイトから得られた情報をどのように生かすかの最終判断はあなた自身です。
インターネットの犯罪・被害の追跡調査サイトとして有名な「WEB110」にある「騙され度診断テスト性格編」をやってみると、安全度は60点でした。私自身もこれを機にもっと注意深くなろうと思います。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第11回アウト?セーフ?「怪しいかも」「危ないかも」を"見える化"ツールでお手軽再点検 ~パスワード、メール、Web、ボットを無料でチェック~
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