掲載誌 | 雑誌「アクセスさいたま」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) | |
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掲載年月 | 2007年2月(第11回) | |
執筆者 | (株)アイドゥ ITコンサルタント 三原崇人 |
ビジネスで最も活用できるスカイプの機能が、会議通話の機能です。
5人(PCの性能によっては10人)までが、会議室で会話しているかのように同時に通話できます(図表2)。
この機能は、例えば、直行直帰の営業スタイルを取る場合など、複数人がバラバラに活動しているときのミーティングツール、連絡手段として利用されています。
もし大宮と東京間で数人が移動して会議するとなれば、一人当たり往復千円程度の電車料金と約一時間の移動時間が必要となりますが、そんなコスト・手間が必要なくなります。
スカイプ利用の効果は、コスト削減に留まらず、頻繁に連絡を取りやすくなったことでの「コミュニケーション増加による連携強化」など数値では測れない部分にまで広がっています。
また「ウェブカメラ」と呼ばれるビデオカメラをPCに設置すれば、互いの顔を見ながらより密なコミュニケーションができ、実際に会って会議しているのと変わらないような感覚で会話できます。
スカイプ登場時は、図表4のようなマイクを耳にかけるタイプや、ヘッドフォンにマイクがついたヘッドセットを使っての会話が主でした。現在では、図表5のような受話器型のものも多数販売されています。
ヘッドセット型の方が、手が空いて便利ですが、その反面ずっと装着していないといけません。
さほど通話時間が長くない場合や、ヘッドセットに慣れない、抵抗がある場合は受話器型のものがお勧めです。
実際に操作してみると、携帯電話を操作する感覚で電話でき、思った以上に便利です。音質が良いので本物の電話を使っているような感覚です。
以前はパソコン同士での通話しかできませんでしたが、「スカイプアウト」という機能を使えば、携帯を含めた一般電話への電話も可能になりました。
この場合はプリペイド形式で有料ですが料金は格安です。図表6で他の電話会社の料金プランと比較してみましょう。(料金は2007年1月11日現在)
国内ではさほど料金が変わりませんが、海外、特に対中国では飛び抜けてスカイプの料金が安くなっています。Yahoo!BBと比較すると、約12分の1の価格です。
中国に工場がある場合など、頻繁に電話をしている場合には、すぐにでもスカイプ導入を検討すべきでしょう。両者がスカイプなら無料、中国工場にスカイプがない場合でも電話料金が格安になるのですから。
電話先 | スカイプ | Yahoo!BB | NTT | 備考 |
日本国内一般電話 | 3.1円 | 8.4円 | 8.9円 (同一市内の場合、深夜を除く) | スカイプは1分単位 Yahoo!BBとNTTは3分単位で課金 |
日本国内携帯電話 | 20.1円 | 26.3円 (8:00~23:00) | 55.1~66.1円 | スカイプは1分単位 Yahoo!BBとNTTは3分単位で課金 |
アメリカ | 2.7円 (アラスカ、ハワイを除く) | 8.0円 | 9.0円 | Yahoo!BB、NTTは、国際通話は消費税不要。 NTTは「世界割」を適用した場合の値段。 |
中国 | 2.7円 | 32.0円 | 29.0円 | Yahoo!BB、NTTは、国際通話は消費税不要。 NTTは「世界割」を適用した場合の値段。 |
※税込み価格、少数第一位で四捨五入 |
スカイプを顧客対応サービス、業務に活用しようという試みを行っている会社もあります。
特に相談されることで料金を得る形態のビジネスで有効なようです。
他には、お問い合わせ用に社員のスカイプIDを公開し、様々な経路での問い合わせに対応して差別化を図ろうとしている企業もあります。
顧客に在席状況が見えること、連絡を取り易いことで安心感を与えることができます。
良いことばかりのスカイプですが、通信が暗号化されており企業側が監視できないというセキュリティ面での不安や、ネットワークにかかる負荷によってプロバイダから通信制限を受ける可能性もあります。社内にネットワーク管理者がいる企業の場合は、利用の可否を問い合わせておきましょう。
使えなくなるリスクとこれまでに挙げてきたメリットを考慮した上で導入を検討してみてください。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第11回 IP電話スカイプのビジネス活用シーン~「普通の電話」以上に進化したパソコンの電話~
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