掲載誌 |
雑誌「アクセス埼玉」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) |
掲載年月 |
2008年3月(第12回) |
執筆者 |
(株)アイドゥ 代表取締役 井上きよみ |
メタボPCになっていませんか?
最近、メタボリック症候群が話題になっていますが、体だけでなくパソコン(以下PC)もメタボ化します。使っているうちに、だんだん遅くなってきた、何だか不安定になってきたと感じませんか?でも壊れたわけではないので、不調に気づきながらも、そのままPC利用を続けているのではないでしょうか。
間もなく新年度。仕事の整理整頓と一緒に、PC内もすっきりきれいにしましょう。不調の原因を取り除けは、サクサク感が戻ってくるはずです。
PCがメタボ化するとは
図表1 明らかに多すぎるデスクトップ上のアイコン(左の囲み)と、常駐ソフト(右下の囲み)。だから起動も遅く、動きも重い。
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メタボ化したPCは、いろいろなものが積み上げられた机の上に似ています。あなたは会社に出勤して、その日に使うものも使わないものも同じように机の上にどんどん並べてから仕事を始めますか?決してそんなムダなことはしないはずです。でも重くなったPCは、まさしくこの状態です。
日々の使用でPCには不要な常駐ソフト、不要なファイルが溜まっていき、それらがスピードに直結するメモリの多くの部分を占めていたり、ハードディスクをむやみに消費したりと、非効率極まりません。
何を隠そう、恥ずかしながら私もPCをメタボ化させていました(図表1)。
デスクトップ上のアイコンを最小に
最初にデスクトップ上のアイコンを片付けましょう。多くは「ショートカット」と呼ばれるもので、プログラムやファイル本体ではありません。
例えば「1週間に1度以上クリックするアイコンは残す」といったルールを自分で決め、当てはまらないものは削除します。削除するのが心配な場合は、デスクトップ上に新たなフォルダを1つ作り、とりあえず、そこに入れておきます。
専用ツールで面倒なくカンタンスリム化
PC内をきれいに保つツールはOSにいくつか付属しています。しかし、それらを1つ1つ実施していくのは手間がかかりますし、むやみにいじると動かなくなるのでは、という不安もあります。
そんな面倒なしにスリム化するには、専用ソフトの利用を強くお勧めします。一般に「高速化・快適化ソフト」や「システムユーティリティソフト」と呼ばれるソフトです(図表2)。
これらのソフトでは、
- OSの設定の最適化
- 不要ファイルの削除
- 不要レジストリの削除や修復
- ディスクの最適化
などが、特にPCの知識がなくても簡単に実施できるように工夫されています。価格は無料から数千円程度までありますが、日々の手間と非効率を考慮すれば、どれも価格以上の価値があると思います。
「SuperXP Utilities Pro 6」でスリム化にチャレンジ
図表3 「SuperXP Utilities Pro 6」起動後のメインメニュー
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今回は「SuperXP Utilities Pro 6」(図表3)を使った場合のスリム化を紹介します。メニューを選んで必要なボタンなどをクリックするだけの簡単操作でスリム化が実行できます。
・不要ファイルの削除
図表4 不要ファイルを検出中
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「全自動クリーナー」で不要ファイルが自動検出され(図表4)、その結果が表示されます(図表5)。「はい」ボタンをクリックすればファイルが削除できます。
不要ファイルは日々発生するので「クリーナースケジュール」で自動実行するタイミングを設定しておけば、今後はきれいな状態が保たれます。
・常駐ソフトやサービスの停止
図表5 不要ファイル検出結果。何と3万個近いファイルが検出された。ツールなしでやるには忍耐と時間と知識が必要。
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図表6 自動起動されるものが一覧表示される。リストから選択すれば、下に「抑止の安全度」が表示されるので、不要かどうかの判断の参考にできる。
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PCの速さに直結するのがこの項目です。「パフォーマンスアップ」メニューから「Windows起動の高速化」を選びます。自動起動するプログラムなどが一覧表示されるので、不要なものは左にチェックを入れて「適用」をクリックします(図表6)。
・システムの最適化
図表7 専門的なパフォーマンスアップもボタンクリック1つでOK
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「カーネルの物理メモリ常駐化」「クラッシュダンプファイル最適化」等々、専門家でなければわからないようなことをクリック一つでやってくれます(図表7)。
まだまだ機能はありますが、私のPCの場合、これらの実施だけでも相当の効果がありました。
ハードディクスの「見える化」でファイルの整理整頓
図表8 「Scanner」でディスクを表示。グラフ内にカーソルを当てると、左上にそのフォルダの内容が表示される。これにより、一番容量を占めていたのは「写真」フォルダで、何と3万3千以上のファイルがあることがわかった。
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最後は自分自身で増やしてしまったファイルの整理整頓です。
ハードディスク内でどのフォルダが多くを占めているかがわかれば、解決の道も近いでしょう。
それには、ディスク内を簡単に見るフリーソフト「Scanner」を利用します。Webブラウザで「
http://www.steffengerlach.de/freeware/」にアクセスしてダウンロードします。そのファイルを解凍してできたフォルダ内の「Scanner.exe」をダブルクリックして起動します。
ディスク内をフォルダごとに色分けして円グラフで表示してくれます。その色の部分にカーソルを当てれば、左上にフォルダ名、容量、ファイル数が表示されます(図表8)。一目でわかるのが何とも便利です。
見える化でわかったら、どのように片付けるかはあなた自身。すっきりしたPCで、新年度を迎えましょう。
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