掲載誌 | 雑誌「アクセスさいたま」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) | |
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掲載年月 | 2004年6月(第3回) | |
執筆者 | 井上きよみ |
ウイルス対策ソフトを常に最新版にしているから大丈夫、と考えている人は多いでしょう。
他のマシンに感染する悪意のプログラムを総称してコンピュータ・ウイルスと言いますが、感染機能は無くても、もっとたちの悪いものが多々あります。
例えば、キーボードの入力内容や画面がどこかに記録され、送信されていたら・・・。パスワードやメールの内容を見抜かれ、勝手に商品を購入されたり、送金されたり、ということが起こります。プライバシー侵害も甚だしいでしょう。見積りなどの重要・極秘情報が外部に漏れることもあり、被害は甚大です。
これらを総称して「ペスト」と呼ぶことがあります(表1)。もちろん、そのすべてが最初から「悪」ではありません。車やナイフが使い方によって凶器になってしまうのと同じだと考えてください。
一般呼称 | 内容 |
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スパイウェア・クッキー | クッキー自体は、Webサイトがアクセス者の最終訪問日やログインIDなどをアクセス者自身のコンピュータに記録させ、スムーズなWeb閲覧を行うための仕組みである。 この機能を悪用し、個人情報の収集・再利用を目的に2つ以上の無関係なサイト間で共有されるクッキーがスパイウェア・クッキーである。 |
スパイウェア | 利用者の許可なく、もしくは知らせない形で、利用者の情報を勝手に収集・送信するプログラム。 正規の製品であっても、使用許諾の部分に「統計目的」と明記して同様なプログラムが含まれている場合が多い。 |
アドウェア | 自動で広告を表示されるものを総称して言う。アドウェアの多くは、個人情報を送信する機能を持っている。 |
P2P | インターネットを通じてパソコン間で直接ファイル交換するシステムで「WinMX」や「winny」が有名。ネットワークの渋滞やファイル流出、ウイルス混入など社会的にも問題となっている。 |
ハイジャッカー | ブラウザ起動時のページを勝手に変更し、設定を元に戻らなくしてしまうもの。海外のアダルトサイト閲覧により、侵入されることが多い。 |
キーロガー | パソコンのキー操作をすべて記録するプログラム。記録された内容が外部から見られたり、外部に送信されたりする。 |
ダイアラー | 勝手に有料ダイアルにつなげてしまうプログラム。その結果、法外な接続料金を請求されることになる。 |
残念ながらウイルス対策ソフトでは、これらのほんの一部しか見つけられません。
チェックだけでも今すぐに実行したい場合は、ペスト検出・削除・隔離ツール「PestPatrol」(図1)の無料体験版を「ネットジャパン」サイト等からダウンロードしましょう。
使い方は簡単で、PestPatrolを起動して調査したいディスクを選び、開始ボタンを押すだけです(図2)。画面が自動的に変わり、ペストがリストアップされます(図3)。その多さに驚愕し、青ざめる人も多いでしょう。
図2 PestPatrol起動時の画面。中程の「全ハードドライブ」にチェックを入れ、右上の[スキャン開始]ボタンをクリック。 | 図3 ペストの検出結果例。「処理」欄を参考に対処方法を決めよう。 |
これらの正体を調べるには、[オプション]タブから[カテゴリー]を選びます(図4)。
また、現在実行中のプログラム等をリアルタイムでチェックする機能もあります(図5)。
図4 「カテゴリー一覧」画面。いわゆる簡易ペスト事典。 | 図5 実行中プラグラムの検査結果。「ステータス」が「OK!」表示であれば、問題なし。 |
体験版は検出のみのため、処理には製品版が必要です。)
検出されたペストは、処理欄の「アドバイス」を参考にして処理方法を決めます(図3)。ほとんどは[削除]ボタンや[隔離]ボタンを押すだけです。
さらに製品版には、スパイウェア・クッキー(表を参照)を自動検出・削除する機能(図6)などがあります。
図6 たった数分間で40個以上のスパイウェア・クッキーが検出・削除された。まさしく脅威! |
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