掲載誌 | 雑誌「アクセスさいたま」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) | |
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掲載年月 | 2003年7月 | |
執筆者 | 井上きよみ | |
記事目次 | ●本文(第4回) 第3回 今年こそテレビとパソコンは融合するか? ~ホームサーバー導入体験記~ |
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●各コーナー | 今月のBookMark「livedoor Price」 | |
ワンポイント用語「EPG(Electric Program Guide)」 | ||
お手軽ツール紹介「サーチクロス」 |
数年前「インターネットテレビ」が話題になりましたが、普及は進まず、結局姿を消してしまいました。当時の64kbpsという通信速度ではホームページを表示するだけで数十秒かかり、退屈とイライラが募るばかりでした。
しかし、通信環境は大きく変わり、特に光ファイバでは100Mbpsと、動画の送受信にも十分な速度が得られるようになりました。そんな中、昨年あたりから話題になりつつあるのが「ホームサーバー」という機器です。
ホームサーバの明確な定義はなく、市販されている機器を見る限り、ビデオとブロードバンドルータを併せたようなものと言えます。つまり、テレビ番組を録画するAVサーバとしての機能と、それを家中のテレビやパソコンに配信したり、インターネット接続や家庭内LANを受け持つネットワーク機能の両方を持つ機器がホームサーバーです。
今回購入したのは、シャープが3月に発売した「HG-01S」(愛称:ガリレオ)(図1)。実売価格で約10万円、横35cm×奥行24cm×高さ8.5cm程度のサイズです。
図1 ガリレオ本体 |
まずはインターネット、テレビアンテナの両方につなぎます。同時にテレビやパソコンとも接続します(図2)。
図2 配線例(出典:シャープのWebサイト) |
図3 リモコンの「メニュー」ボタンを押せば、テレビ画面にメインメニューが映し出される | 図4 専用ソフト「MediaPalette」により、WWWブラウザ表示される。現在放映中の番組も見られる |
ホームサーバを利用してできることを表にまとめました(表)。
分類 | できること | 制限、備考 |
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テレビ・ビデオ | パソコンで番組予約 | |
パソコンで番組を見る(テレビ、録画) | CPUがPentiumIII700MHz以上でメモリが128MB以上のパソコンが必要 | |
外出先からパソコン、携帯電話で番組予約 | ホームサーバー側にグローバルIPアドレスが必要。 | |
外出先からパソコンで番組を見る | 上記に加え、回線速度が速いこと | |
テレビを見ながら公式サイトもチェック | ||
ネットワークサーバ | ホームページやアルバムを公開 | ホームサーバー側にグローバルIPアドレスが必要。プロバイダがサーバ通信を許可していること。 |
ファイルサーバとして利用 | 外出先から利用するにはホームサーバー側にグローバルIPアドレスが必要 |
パソコンを毎日使う人にとって最も便利なのは、やはり番組予約機能でしょう。番組調べから予約・取消までがすべてパソコンでできるからです。EPGと呼ばれる番組表(ワンポイント用語コーナー参照)はタイトルだけでなく、簡単な内容もわかるので、それを見ながら予約するかどうかを決められます(図5、6)。外出先から携帯電話でも予約できるので、留守録のし忘れや失敗はかなり防げるでしょう。
図5 パソコンから番組予約。番組をクリックすると、左側に説明が出る。右の「予約」をクリックすれば、予約登録のボックスが出る。 | 図6 録画された番組の一覧 |
図7 テレビビューア。画面サイズは十分だが、高性能マシンでないとコマ落ちする |
図8 アルバム機能。これはまだ宅内ネットワークのみでしか見られないが、公開してみんなに見てもらうことも可能。 |
ディスク容量が多いので、パソコンのハードディスク替わりやバックアップ用にも使えます。
図9 設定画面。やはりネットワーク機器だと実感してしまう。 |
実は家にある3台のノートパソコンのうち1台はテレビ画面を再生できませんでした。その1台は再生に必要な性能をぎりぎり満たしてはいますが、実際はもっと高性能でなければダメなようです。
さらにマンションでの共有回線という事情のため、外出先からのアクセスは全く不可能で、せっかくの機能を利用できません。
留守録をもっとたくさん便利にやりたい人には確かに最適ですが、そうでない場合は、もう少し様子を見た方がよいでしょう。
左上:トップページ 右下:店別価格の一覧 |
国内最大手の無料プロバイダ「livedoor」の運営する価格比較サイトです。商品ジャンルは、コンピュータ、家電製品、スポーツ用品、ファッション、楽器、ベビー、TVゲーム、ソフトウェア、海外旅行券の9つで、知りたい商品の平均価格・最安価格の推移や、店別価格の一覧(図2)、オークションでの出品価格を調べるられます。当サイトでの直販はないので、購入する場合は、見つけたショップに直接問合わせをすることになります。パソコンと周辺機器を別の店から買うときなど、手続きがやや煩わしくはなりますが、底値を追うなら、それくらいは仕方がないでしょう。逆に、窓口手数料をとって直接販売するよりも、良心的かもしれませんね。
無料の会員登録をすれば、「マイページ」や「価格お知らせメール」(6月12日現在準備中)で、狙っている商品の最新価格を常にウォッチできます。
iEPG対応番組サイト「ON TVジャパン」のピンポイント番組検索画面。 (出典:http://www.ontvjapan.com/) |
EPGとは直訳すれば「電子番組表」で、パソコンやテレビ画面で見るテレビ・ラジオ番組表です。
新聞や雑誌のテレビ番組一覧表との大きな違いは、単なる番組表ではなく、電子番組表ならではの機能を持っている点です。例えば、ジャンルやタイトル、出演者をキーワードにして、番組検索をしたり、詳細情報を調べることができます。また、番組表をクリックするだけで録画の予約もできます。
さらにうれしいのは、その予約に対し、放送時間や内容の変更を自動的に反映してくれることです。これで野球のナイターが長引いても途中で切れることはありませんし、その後のドラマだって最後までバッチリ録れます。
録画予約のできる主なEPGには、地上波データ放送を利用しているものに「ADAMS-EPG」「ADAMS-EPG+」、インターネットを利用しているものに「iEPG」「テレビ番組ガイドアイラテ」があります。外出先より携帯電話で録画予約を行えるiモード公式サイト「iテレビ」、J-SKY公式サイト「Jテレビ」、EZweb公式サイト「テレビEZ」もあります。利用にはそれぞれの専用ソフトウェアが必要です。
これで残業やアフターファイブの最中に、録画予約の余計な心配をする必要がなくなりますね。
標準価格 | 5,900円(税別) | |
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対応 | Windows XP/2000/Me/98/95/NT4.0 | |
発売元 | ビレッジセンター | |
URL | http://www.villagecenter.co.jp/soft/searchx/ |
パソコンを使うようになって、一番便利だと感じる機能は「検索」ではないでしょうか。ファイルの検索、インターネット上の検索サイト・・・等々、日常茶飯事で検索を行っているでしょう。
図1 サーチクロス・メイン画面。左上のボックスに検索語を入力し、「検索」ボタンをクリックします。すると、異なった種類のファイルの検索結果を右側に一覧表示します。その中の任意の行を選択すれば、右下にそのプレビュー画面が出て、ファイルの中身も見えます。 |
でも反対に、一番やっかいな機能も、やはり検索です。なぜなら、あやふやな記憶しかないと、ファイル名の検索やら、それらしい文書を開いての検索やら、ため込んだメールの検索やらと、見つけるまでの手間は大変なものです。今ではいかに素早く検索できるかが必須のビジネススキルとなっていたりします。
こんな私たちの検索作業を大きく変えてくれるのが「サーチクロス」です。これでパソコン内の捜し物の悩みは、一気に解決するでしょう。
ワード・エクセル・パワーポイント・一太郎、メールのデータ、インターネットからダウンロードしたPDF文書といった多種多様なファイル。いちいちファイルを開かなくとも、サーチクロスを起動し、キーワードを入れれば、これらの雑多なファイルから必要なものを探し出してくれます(図1)。
どのアプリケーションで作った文書なのかを気にしなくていいのです(図2、3)。断片的な記憶さえあれば、それをキーワードに打ち込むだけです。
図2 検索対象ファイルの種類は、パソコンにインストールされているアプリケーションによってあらかじめ指定されています。「設定」ボタンをクリックして表示される設定画面で変更することもできます。 | 図3 対応メールソフトは20以上。メールソフトの検索機能を使うよりずっと便利です。 |
図4 キーワードを全部含む「絞込み」を基本にして、「いずれかを含む」と「含まない」を該当個所に入力します。 |
検索速度が相当に速いのもポイントです。この手のソフトの使い勝手を左右する大きな要素ですが、十分に満足できるスピードです。
そして検索の正確さ・的確さという面でも優れていると感じました。「キーワードの絞込み」のほか、「キーワードを含む」「キーワードを含まない」など、検索方法を組み合わせることと(図4)、益々精度は上がります。加えて、大文字/小文字、全角/半角の区別、ファイル名やタイトルのみの検索など、きめ細かい検索オプションも豊富です。
混沌としたパソコンを、そのままデータベースとして業務の効率化に結びつけてくれる手放せないソフトです。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第4回 今年こそテレビとパソコンは融合するか?
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