掲載誌 | 雑誌「アクセスさいたま」(財団法人埼玉県中小企業振興公社) | |
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掲載年月 | 2002年8月 | |
執筆者 | 井上きよみ、高野 芳郎 | |
記事目次 | ●本文(第5回) 「持たざる経営」がすぐにできる ~ASPというサービスの活用で敷居はいっそう低く~ |
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●各コーナー | 今月のBookMark「てるジオ」 | |
ワンポイント用語「CIO (Chief Informaation Officer)」 | ||
お手軽ツール紹介「INTERNETサムライ」 |
「持たざる経営」と聞いて、多くの人の頭に浮かぶのが、金型用部品の企画・販売等を行う株式会社ミスミ。在庫も社員も、できるだけ何も持たない、という徹底したアウトソーシングは、話題となりました。
しかし、ミスミの真似が簡単にできるか、といえば決してそうではないでしょう。また、「持たざる」ことがベストかと言えば、それも一概には言えません。
大切なのは、社内を見渡し、まずは持つべきもの・持たざるものを見極めることです。そして持つものにコストをかける分、必ずしも自社内で持たなくてもよいものは思い切って外部のサービスを利用しましょう。
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図1 ASPの一例「サポート楽(らっく)」(http://www.helprack.net)。メールによる問い合わせとそのやりとりを部署内で共有できるサービス。これにより顧客への的確・迅速な対応が可能となる。 |
一歩進んで、今までは社内で購入し利用していたソフトの一部や自社開発しようとしていた情報システムを、インターネット経由で利用するのです(図1)。そのようなサービスを提供する事業者やサービスそのものを「ASP」(アプリケーション・サービス・プロバイダ)といいます。
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図2 「楽天市場![]() |
インターネットで製品を販売しようと考える企業は多いでしょう。そのためのコンピュータやプログラムを自社で揃えるのは大変です。少なく見積もっても軽く百万円は必要でしょうし、時間もかかります。さらに機器類が24時間ずっと稼働するための整備やプログラムの修正など、運用コストは初期費用以上にかかります。
例えば「楽天市場」のような、インターネット上のショッピングモールに加入すれば、月々数万円の利用料を払うだけで、ショッピングに関する数々の機能を使えます(図2)。電子メールとWebブラウザが使えれば、ITの専門知識がなくともショップの運用ができるのです。このようなサービスもASPの一つといえます。つまり、
インターネット経由で
ITの専門知識なしで利用できるシステム
自社で用意する場合と比較し、ケタ違いに安い利用料金
がASPです。ほとんどは指定されたホームページにアクセスし、ブラウザ上で入力することで利用できるようになっています。
ASPという言葉自体は脚光を浴びながらも、つい最近までは、利用料は月数十万円という大企業をターゲットにしたサービスが多かったのです。が、昨年後半あたりから月額数千円~数万円で利用できるものがどんどん登場してきました。
さらにインターネットへの常時接続コストも月数千円になり、中小企業でも少ない負担で活用できる土壌が整ってきました。
私はASPこそ、中小企業のIT化を促進する核になるのではと考えています。
一口にASPといっても提供分野は多岐に渡ります。一番イメージしやすいのは楽天市場のようなEC系です。その中でも、総合的な店舗機能を持つものから、特にセキュリティに注意しなければならないカード決済部分に特化したものと幅広い選択肢があります。
次は社内情報共有系、つまり、スケジュール管理や掲示板などの機能を持つものです。何で社内の情報をわざわざインターネットを使い外部サービスで行うのか、という疑問のわく人もいるでしょうが、発想転換しましょう。社内でサーバを購入・維持するのは大変です。さらに携帯電話や自宅からもスケジュールを使いたいとなれば、セキュリティ面の配慮も必要です。それであれば、ADSLなどの速い回線でASPを利用した方が結局安く、簡単に、安全にできます。
さらに、給与計算や会計などの企業必須の業務や、顧客管理、問い合わせ管理などの業務に特化したものもあります(図3~5)。
-----------------「サポート楽(らっく)」というASPサービスの例----------------- |
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図3 会社宛メールとそのやりとりをスタッフ全員で見られるので、担当者不在時にもすぐに対応できる |
図4 ブラウザ上で入力するだけなので、だれにでもすぐに使える |
図5 初期導入時の設定項目もわずかですぐに使える |
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図6 ASPICジャパン(http://www.aspicjapan.org/)が運営する「ASPサービス検索サイト」の検索画面 |
また、介護保険、求車求貨、製造業向け、薬局向け、外食産業向け等、業界・業種に特化したサービスもあります。
自社に合うサービスを見つけるには、ASPの業界団体であるASPICジャパンが運営する「ASPサービス検索サイト」(図6)が参考になります。
特に中小企業向けのASPサービスは価格が手頃です。しかし、パッケージサービスゆえに自社に適合しない部分はあります。また、今まで手作業で実施したり、もしくは全く行っていなかったものを新たに実施することになりますから、導入の敷居が低いとはいえ、業務のやり方をサービスに合わせるべく、見直さなければなりません。
自社にとって使えるかどうか、つまりみんなが使いやすいかがポイントとなります。多機能な場合、利用する機能を絞ってはじめるといいでしょう。
料金面にも注意が必要です。基本料金以外に、利用者数やオプション利用で加算されるものを含めて月額料金を算出します。
もし、無料試用できるのであれば、ぜひそうして使い勝手を検証しましょう。
読者の皆様限定の特典 |
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NTTの「ハローページ」に掲載されている4千万件以上の全国の電話番号情報をベースに、本サイトが独自に収集した情報が加えられ、それらを検索できます。無料で利用できますが、提供されている情報は法人のみです。
名前や住所から電話番号を調べるのはもちろん、電話番号はわかるけど場所がわからない場合に使うにも、非常に便利です。試しに埼玉県中小企業振興公社の電話番号を入力して検索すると、図のように住所やおおよその位置が出てきました。
自分の会社やお店も検索しましょう。もし、検索されなかったとしても心配はありません。名前や住所、業種などの基本情報は無料登録できるので、すぐにやりましょう。
また、無料の会員登録をして「パーソナルてるジオ」を利用すれば、地域情報をブックマークして、そこからの案内をメールで受け取ることもできます。
左上 トップページ。埼玉県中小企業振興公社の電話番号を入れて検索
右下 検索結果の詳細。地図も出る
会社などの組織は、いろいろな肩書きを持つ人で成り立っています。社長、役員、部長、等々でいわゆる「管理者」にあたる人々です。CIOもその中の役職の一つです。経営的な視点で情報システムの導入や運用を統括・管理する役です。ITの活用が企業の生命線となる比重も増え、CIOを設置する組織が増えてきました。仕事柄、役員クラス以上から選出されることが一般的です。中小企業の場合は、2代目といわれる後継者か、社長自ら兼任することが多いようです。
CIOには、自社の経営戦略に直接関われる能力と、IT関連に関しての責任者としての資質が必要とされます。また、社内外の関係者をとりまとめ、調整を図るといったプロデューサ的な能力も合わせて要求されます。
そのため、本当にCIOを任せられる人材は、ごく少数で、そのような人材育成が急がれています。
CIOと似た用語に、技術担当最高責任者を表す「CTO(Chief Technology Officer)」があります。組織によっては、CTOに該当する人が、CIOを兼任することもあります。
対応 | Windows98/Me/NT/2000/XP | ![]() |
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発売元 | プロジーグループ | |
標準価格 | 6,800円(税別) | |
お問い合わせ | http://www.pro-g.co.jp/ |
ホームページを閲覧するためのブラウザは、もはやなくてはならないものです。何か調べたいことがあったとき、インターネットに接続すれば世界中の情報を簡単に検索できます。次から次へと様々な情報を、マウスのクリックひとつで集めることができるのですから、これを使わない手はありません。
しかし、いろいろ調べていくうちに、気が付いたら画面はウィンドウだらけ。「本当に見たかった画面はどれだっけ?」「いくつか前のページに戻りたいのに、わからなくなってしまった」ということはありませんか。そんなときにお勧めなのが「INTERNETサムライ」です。
起動すると、いつものブラウザとは少し違った画面が表示されます。この画面の特徴は「タブ方式」と呼ばれるもので、複数のホームページをひとつのウィンドウで表示できるのです。これなら、見たいページの切り替えは画面上のタブをクリックするだけのワンタッチ。(図1)
通常のブラウザではどんどん増えてしまうウィンドウも、タブページが追加されていく方式なら、デスクトップがブラウザで占領されてしまうことはありません。タブページの数は設定で変更できるので(図2)、増えすぎて困ることもないでしょう。
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図1それぞれのタブページに異なる内容が表示されている | 図2INTERNETサムライの設定画面。初期状態のままでも十分に使いやすく設定されている |
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図3 ファイルのダウンロードは別ウィンドウのサムライダウンローダーで高速ダウンロード。進行状況をグラフでリアルタイムに確認できる |
また、データのダウンロードにも威力を発揮します。大きなファイルを分割して高速にダウンロードする分割&高速ダウンロード機能(図3)、失敗したところから再開できるレジューム機能、さらにはウィルスチェックソフトとの連携等々。ホームページを見ながらかゆいところに手が届く、それが「INTERNETサムライ」です。
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