財務省"大甘"査定 「日当19万」随意契約 財務省が民間の研究期間などに委託した各種調査(2004年)で、研究員らの人件費として、1日約19万円の報酬や時給1万6000円を支出するなど、厚遇していたことがわかった。いずれの調査も随意契約で発注されていた。 ・・・ (讀賣新聞2006年7月2日)
記事を見る限り、「日当19万円は高すぎる」と読みとれるのだが、果たしてそうだろうか?
この人件費には研究員のリサーチ業務、それにオフィス使用料などが含まれているらしいが、「随意契約が割高になりがちな典型例」という結果には、合点がいかない。
もちろん、仕事の内容や難易度を記事だけからではわからないので、高いか安いかは計り知れないが、それにしても、日当19万円という数字だけが一人歩きしているように見える。
ということで、「高すぎる」という理由を考えてみた。
求人広告なんかの時給を見ると、800円くらいから始まり2,000円くらいは、かなりいいほう。日給ベースでも25~40万円あたりが多いから、時給換算すると、やはり2,000円弱。
5,000円なんて時給は、ほとんどお目にかからない。
日当19万円を時給にすると、な、何と 23,750円。
求人広告の数字を見慣れていると、確かに多すぎる、と思うのだ。
ここで、ちょっと考えてみよう。
「命の保証はできないけど、時給5万円の仕事がありますよ。」
と言われたとしよう。
やるか、やらないか。
家族のある身では、なかなか首を縦に振れないだろう。
ちょっと話が飛んでしまったが、その仕事内容に危険が伴ったり、特殊なノウハウを必要とする場合、時給換算すれば、かなり高くなるはずだ。
さっきの例、時給5万円だって、命の保証がなければ安すぎる、と思う人だって多いだろう。
労働を「時間の対価」と考えるか、「価値の対価」と考えるかで、その見方は大きく異なる。
当社の仕事では、例えば、原稿1本で○○円、というのがある。仮に5万円としよう。
という具合。現在の労働基準法では、労働は時間の対価という考え方なので、従業員にこの仕事をお願いした場合、結果いかんにかかわらず、働いた時間に相当する賃金を払わなくてはならない。
当たり前のことなんだけど、でも、何だか矛盾していると思いませんか?
最初に戻って、「日当19万円」の話。
私はやはり、「価値の対価」というモノサシで計って、はじめて高いか安いかを議論できると思うのです。
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