掲載誌 | 26歳からの資格の本 (日経WOMAN別冊) 資格に関してその道の人からの情報がいっぱい詰まった雑誌です。 |
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掲載年月 | 1994年春号 | |
記事解説 | 独立開業できる国家資格の1例として取り上げられました。まだ、自宅の1室をオフィスとし、1人でやっていた頃の記事です。 |
中小企業診断士は中小規模の会社や商店などに対して経営改善のアドバイスをする経営コンサルタント。中小企業診断士の仕事は大きく3つに分けられ、そのひとつが経営診断と指導、もうひとつが経営相談、そして残りが公共診断や市場調査、講演の講師などだ。公共診断というのは、自治体の商工指導センターと業務委託して、たとえば、商店街の来客アンケートを分析するような仕事である。
中小企業診断士の職務範囲は、専門別に「鉱工業部門」「商工業部門」「情報部門」の3つの部門に分かれ、登録も部門別に行われている。井上きよみさんは商業部門の資格を持っている。 試験に合格するためには経済や経営に関する専門的な知識が要求されるが、井上さんは大学の専攻が商学部だったこともあり、1次試験は大学在学中に、2次試験は卒業後2年目に合格した。「資格があった方が就職に有利」と販売士1級の資格も在学中に取得している。 井上さんの場合は、1次合格から2次合格までの間に卒業と就職があったために勉強を中断、資格取得まで2年かかったが、この試験の合格への近道は短期間に集中して勉強することだという。1次合格から2次合格までの期間が「6ヶ月以内」という人が6割にのぼる。 |
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井上さんが手がけた公共診断に、神奈川県の「中小小売店の輸出入についての意識調査」がある。すでに回収されたアンケートのデータを集計し、報告書にまとめて完了する仕事だ。これを2週間で仕上げ、報酬は25万円。
集計作業はコンピューターを使う。今や中小企業診断士にとって集計作業ばかりでなく経営業況の診断などでもコンピューターは必需品で、「大学卒業後、経営コンサルタント会社とソフトハウスに勤務した経験が今生きている」と井上さんは言う。 「ヌーズ・ヌー」を設立したのは'92年2月。自宅マンションの1室にオフィスを構えている。収入の8割がコンピューター関連で、これは井上さんの1つの仕事であるSE、テクニカル・ライターとしての収入だ。 公共診断や顧問契約を結んでいる会社へのコンサルタント業務だけでは、なかなか高収入が望めないのが実状だ。 ●問い合わせ先:中小企業診断協会(03-3563-0851) |
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